うす雪化粧の庭園

2012年 03月 04日

このあいだの雪の日に、時々散策する芝離宮を覗いてきた。高速道路や新幹線、高層ビルに囲まれた大都会の芝離宮。春や秋の庭園は美しい。でも雪景色の庭は東京ではなかなかみられない。芝離宮、浜離宮は地元の馴染みの庭園だが、浜離宮に比べ、やや小降りでコンパクトな芝離宮には、石組みや州浜、涸瀧など、秀逸な造形が組み込まれたすばらし古庭園だ。なかでも池のなかほどに浮かぶ中島へと続く飛石は、他ではなかなか見られない作庭の造形だ。その昔、いまは淡水だが、近くの海水から潮水をひいていたこの池は、干潮時に水位が変化していた。中島まで渡るための飛石は、今は水に沈み海底の遺跡のように見てしまうが、その周辺の石組みも水面から美しく顔を覗かせている。時々微妙に見え隠れする石組の池は庭師によるアートだ。

そんな芝離宮の雪景色は予想に違わず美しかった。秋や春夏より、雪をそっと纏うことで、庭のコントラストが一段と深く、美しくなる自然色の妙。見慣れた石組みも形態が変わって見えてしまう。まさに新鮮。おそらくは作庭師も想像だにしなかったであろう?、ここにいたるまで自然に晒され古び、美しく変化してきた庭の景観は、まさに自然と庭師の技が渾然一体となった芸術だ。
私は自分の絵画の表現も、人造的な自然、自分自身の自然観の写しだと思っている。自分が自然の現象を、また自然であることを、どのように捉えて生きているか?カンバス、水と空気、湿度と関わりながらさまざまな現象を経て完成する抽象的な絵画は、製作中に起こる偶然や現象に引きずられないよう、また頼りすぎないようにするため、画家の精神を作品にできる限り反映させるための技こそが、画家の本領であるはずだ。
東京らしい、一瞬で消えてしまった庭園の雪化粧でした。
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by ogatajun | 2012-03-04 16:16 | Comments(0)