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ポロック展へ

2012年 03月 28日

先週末、近代美術館で開催のジャクソン・ポロック展へ行ってきた。日本ではめずらしい展示。ドロッピングやポアリングなどじっくりと拝見、繰り返し試みたテクニックによりペイントは生き物のような放物線を描いてカンバスに辿り着いたことだろう。絵の回りをぐるぐる回って構築したポッロックの画面、やはり観賞するときも平らに置いてみたくなる。また初期の具象と、やがて晩年に表れる具体的な形象の因果もいろいろと想像した素晴らしい展示だった。
1950年に描かれた「UNTITLED」という作品はちょっとおもしろい。一見、「書道」のような作品。ポロックは完成後、小さなタッチか汚れなのか、気に入らないスポットを、紙と同じような白い絵具を使って消したようだ。今となって経年や酸化によって灼けて暗色化した紙は、絵具に勝って黄色くなり白い修正絵具だけが白っぽく現れている。巧くいかなかった「書」を修正した?かのように勝手な想像?すると、なんだかおもしろい。しかし偶然の中から現れる形象を厳しく見つめていた製作後のポロックがそこにいるようだった。

ポロックはじめ、さまざまな作家の使ったエナメルやオイルもさることながら、僕らが使う水性の絵具の見せる表情もまさに一期一会だ。乾いてからの絵具の表情がまた一段と変化する。抽象表現では、どれだけ多く絵の中の表情や景色と出会えるかが勝負だと思っている。一瞬にして現れる多くの現象や場面から瞬間的に何かを抽出するのは、肉眼以外の第六感!霊感かな!?意識下の感性さえも総動員しての取捨選択!。体力が無いと気力が続かないこの仕事。やっぱフィジカルだね〜鍛えなければ〜!!
ポロック展へ_a0250454_22234795.jpg

by ogatajun | 2012-03-28 22:25 | Comments(1)
Commented by desire_san at 2012-05-04 11:01
こんにちは。
私もポロックの展覧会に行ってきましたので、興味深く読ませていただきました。
衝撃的なインパクトのある作品で、美術の中心をパリからニューヨークに引き寄せ、美術の概念を根本的に変えた画家のいうのも分かるような気がしました。

私も私なりにポロックの絵画の何が斬新的か?ポロックの魅力的は何か?について感じるところをまとめてみました。ぜひ一読してみてください。

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