伝わる絵画

2016年 04月 01日

東村山にある国立ハンセン病資料館には、病の床のなかで制作された様々な作品が静かに保管、展示されている。いろいろな歴史を乗り越えて残されてきた作品が語りかける。芸術は作者の生きた世代を超えて残り続ける。そのような作品の調査や修復に携わる機会を頂いた。
療養しながら制作した作品を始め様々に描かれた作品。本格的な制作活動をされた方や、こつこつと自身の世界や身の回りを描き続けた作家も居られる。
多くの作品の中で木下今朝義さんの「家族」に引きつけられた。けっして本格的な印象ではなく、説明や描写に長けた作品ではないが魅力的だ。祖父母、子供、家族と過ごした、大切な時間、団らんを率直に描いたこの作品は、観ている私のこころの奥にしみてくる。額も豪華ではなく、手製で造られたものだが、枠の中に、人工芝のようなものが張り巡れされた独特の風情だ。しかし、なぜか、いつまでも、いつまでも見続けてしまうこの作品は、大切な時間を焼き付けた心で綴った表現なのだ。
訪ねるたびにいろいろな事を考えてしまうハンセン病資料館の施設では、絵画と表現の中にある大切なものを見たような気がしている
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by ogatajun | 2016-04-01 00:01 | Comments(0)